資金調達とデンソーの出資

【質問】

グロービスで教材開発だったり、講師をやっています。

グラミン銀行

私はグラミン銀行のケースを書いていまして、グラミンの技術版だと思って興奮して聞いていました。

アフリカならMペサ(M-PESA)

株主に日産とデンソー

お尋ねしたいのは、どこで誰と組んで仕事をしていこうと思っていらっしゃるかですね。私がインドのタタ社の人間だったら絶対組みたいと思います。でも株主に日産とデンソーさんがいらっしゃったら難しいのかなあとか。アフリカ市場出るんだったらMペサ(M-PESA)と組んで、ボーダフォンと組んでいくのはどうだろうとか。

例えばネパールに住んでいたんですが、ネパールの元兵士で、お金がなくて、でも自分で事業をしたくて、みたいな人の顔が浮かぶ時に、このサービスがすごくいいから行くといいんじゃないかとか。

人口が多いナイジェリア?

アフリカだったらナイジェリアが一番人口が多いからいいんじゃないかとか。いろいろ浮かぶわけですね。どこでどうこのビジネスを世界に広げていきたいと考えていらっしゃいますか。

【中島徳至社長の回答】

資本政策

デンソーを選んだ理由

私たちの資本政策(資金調達と株主政策)で自動車OEM(自動車メーカー)を入れなかったというのは強いこだわりがございます。やはりこれを一つのOEMのためにサービスを使わせてはやっぱり世の中のためにはならないだろうというふうに思いました。いろいろなOEMに対して影響を与えていて、グローバルに展開できる先としてデンソーを選びました。

自動車メーカーを限定しない

これは私たちのデバイス技術が評価されないと当然、資本は入れませんよね。OEMもいろいろな展開を考えておられると私も聞き及んでいるんですけれど、やっぱりOEMが考える以上の私たちの取り組みというところを実現していこうと思うと、ある一定の台数も出していかないといけない。

DENSOかボッシュか

デバイス技術も確立させないといけない。だからこだわって、DENSOかボッシュかというところで私はこだわりました。それでデンソーさんに入っていただくことにしたわけですね。

銀行は一行だけではない

他の私たちのビジネスパートナーというのは、先ほどお話したように金融というのは非常に親和性が高いです。しかし、金融(銀行)も一行だけの資金でまかなう資金でこのビジネス終わるのかと考えると、一行ではなくて、金融という大きなマーケットから資金が得られる大きな箱が必要になる。

縛られる資本業務提携をすべきでない

そこに色を付けてしまってはこれはダメだろうと思っているんですね。むしろ、会社というのは社会の公費であるとすれば、私たちの会社がさらにいろいろな可能性をもっていくためには、あまり縛られる資本業務提携をするべきではない。むしろゆるやかな提携関係を多くの会社と結ぶべき。とくに今の普及期では。これが熟成期に入ってきますとだいたい力関係が見えてまいりますので、そこで大きな資本政策の中で会社が大きく動くかもしれません。今はどちらかというと色々な会社にチャンスを与えていく立場でありたいと思っています。

取締役会でも議論

これは非常に判断が難しいところなんですよ、実は。取締役会なんかでも議論させていただいたりするんですけれど。と言いながら、提携する会社は他の会社とは組まないでくれとはかなり強く話もあります。難しいところですね。ありがとうございます。